ゴードニズム

野球や日常の出来事についての考察をつづります

夏の大会は甲子園ではなく仙台で開催したらどうでしょう

いよいよ今年も始まった夏の高校野球


このあっつい時期によくやりますね!


っていうか、35度以上の炎天下では、野球をするのも、応援するのも、審判するのも
みんな本来の力を出し切れないのでは?


プレー中に選手が足をつったり、けいれんを起こしたり…
もはや野球の上手さを競う前に
我慢大会と化していませんか?

 

涼しい部屋でTVをつけて、我慢大会を観賞するのは気持ちがいいですけどね
当事者の身にもなってみると、しんどいっすよね

 

来年は仙台あたりで開催してはどうでしょう?

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8月の日ごと最高気温の比較(過去20年平均)

ほら、涼しいよ仙台

神戸より4℃くらい気温が低く、最高気温が30℃以下の日がたくさんあるし

 

【疑問】
そもそも「全国高等学校野球選手権大会」の試合会場は
真夏の甲子園球場でなければいけない理由ってあるの?

 

高校時代に野球に打ち込んだ身としても
なぜ主催者が甲子園球場での開催にこだわるのか疑問に思います

 

毎年、形式だけの熱中症対策の効果が問われ、話題の尽きない甲子園
そうして無視できない程に大きくなった世論の影響を受けてか
甲子園球場が7000万円を費やし夏の熱中症対策を実施したことが
2019年の4月に高野連からの発表により明らかになりました

 

甲子園球場としては、これからも高校野球の会場として使ってもらえたほうが
高校野球の聖地としてのブランドが保てるので7000万円をかけるメリットがあると考えたのでしょうね


なんだか大人の事情があるように感じます…

 

でも、通路にエアコンを増やしたところでスタンドで観戦している人たちの危険は変わらないよね


スタンドの塗装を遮熱塗料で塗り直したって言ってるけど、
それって、ちゃんと効果は検討できてるんでしょうか?

遮熱塗料は赤外線を反射してコンクリートに熱が吸収されないようする塗装で
屋根の下の室内を涼しくするためには有効な方法だけど、

その屋根の上(スタンド)に居る人たちには反射した太陽光が当たるよね


上からも下からも照らされて、めっちゃ日焼けしそうなんだけど大丈夫かな?

 

っていうか、そこまでして甲子園球場じゃなきゃダメなのかな?


全国大会の会場がどこであろうと「全国大会出場」に憧れるのは一緒だと思うけど?
野球に打ち込む高校生のうち、会場が甲子園球場じゃなきゃ目指す価値がない
なんて思っている選手がどれくらいいるんでしょうか

 

【問題】
一番の問題は熱さ
なぜ毎年、熱中症の危険性について指摘があるのにもかかわらず、同じ会場なのでしょうか
大会中は何百人もの人たちが熱中症や日射病の疑いで体調不良で倒れている程の暑さなのに

主催者は根本からの見直しをせず、甲子園球場での開催にこだわり、
対策は通路のエアコンや休憩室の整備で済ませるつもりですか?


なぜこんな小手先の工夫だけでしのごうとするのでしょうか

なぜやり方を変えられないのか、変革の必要性が毎年各メディアで散々取り上げられているのに!


主催者は甲子園にこだわる理由をなぜ説明しないんでしょうか。

大会主催の趣旨は
「教育の一環として、若者の健全育成に資することを目的としている」
といいますけど、
それなら甲子園球場にこだわる必要はないですよね?

部員たちは甲子園球場にこだわる主催者に対して文句も言わず、
過酷な日程、厳しい暑さのもとで試合を強要されても
あくまで用意された舞台で全力を出し切ろうとして、

意識朦朧になりながら、

時には足をつりながら、

けいれんを起こしながら、

肩やひじを痛め、選手生命を懸けながら、

それでも大好きな野球をし続けようとする…

それをテレビで見て我々視聴者は
「こんな理不尽な環境に耐え、なんて素直で、ひたむきで、いい子たちなんだ」
って感動するだけでいいのでしょうか?

主催者は過酷な環境での試合を強要し
選手たちはそれが当たり前と信じて試合に出る。


この構図が「健全な育成」と言えるのでしょうか?

主催者「おい、おまえたち!野球がしたいなら全国大会を開いてやるよ?そのかわり、会場はどんなに気温が上がろうと甲子園のグラウンドな!そこなら毎年タダで借りられるからよ」

球児「わかりました!大会を開いて下さりありがとうございます!」

いや、この言い方はひど過ぎました。ごめんなさい。

でも、出場者の安全に配慮して会場を替えることを前向きに検討して欲しいです

ビジネスとしてプレーする職業野球ならば炎天下グラウンド酷暑マッチは演出としてあってもいいでしょうけどね。


プロレスの電流爆破デスマッチみたいに

でもこれ、高校の部活動ですよ?


なぜ野球の試合にガマン比べの要素が必要なのでしょうか。

世の中は変化しています。

その中で大会が100年続いた事は確かに素晴らしい事かもしれません。
しかし、過酷な環境で試合を強要する近年の状況は、
いくら「これが日本の伝統だ」と言っても世界に誇れるものではないと思います


気温が40度になっても続けたら児童虐待ととらえられるでしょう

今後、アメリカのメジャーリーグで活躍する選手もどんどん増えるでしょうし
日本の野球が注目されるようになれば、
高校野球の過酷な試合に世界が唖然とすると思います

 

日程の過酷さ
若い選手達を危険にさらしている要因は暑さもありますが、過密な試合日程というのも大きいと思します


勝ち進むにつれて試合間隔が短くなり、4日で3試合をこなすのだから選手のうち、特に投手の摩耗が激しいのは明らかです。


一人の投手の酷使を防ぐには、球数や投球回数の制限を課すか、大会後半の試合日程に余裕を持たせるしかないけど、
球数制限は複数の投手を育成できないチームにとってハンデが大きすぎるといわれています

 


でもそもそも、一人の投手の力だけで勝ち進もうとすること自体が、前時代的すぎると思いませんか。


それから、日程に余裕があれば投手だけでなく野手も本調子で戦う事ができるはずです。


2018年からタイブレーク方式が導入されたましが、摘要された試合は55試合中にたったの1試合でした。

 


その他の9回まで全力を出し切った選手たちには何の影響もないので、
はっきりいって試合を消化する効果しかないと思います。


【小手先の対策ではなく改革を】
いろいろ問題はありますがまずは、夏の暑さに対する解決策について考えたいと思います
熱さの解決策は大きく分けて二つで、涼しい球場に変えるか、時期や時間帯を変えるかという2つの方向があげられますが、


まず、開催時期をを大きく変えるのはかなりの反発があります。


高校サッカーや春高バレーのように1月に全国大会を開催している競技もありますが
大学入試の時期と重なるため、強豪私立校のように18人のベンチ入りメンバーが全員プロ志向選手なら問題ないのですが
1人の投手と1人の好打者の活躍で成り上がるような選手層の薄い公立高校では出場の判断が難しくなります


進学校では受験勉強に差し支えるので秋・冬に開催する大会には2年生までの生徒だけで出場するということもあるでしょう。


甲子園に出場する高校56校の選手のうち、プロ野球や大学野球にスカウトされる選手は一握りでしかありませんから
大会が終わると同時に野球をやめて受験勉強を本格的に始める選手の方が一般的でしょう


では、涼しい時間帯に試合をすればよいという考え


これも現実的ではないでしょう


ナイターや早朝に試合をするとなれば、1日に行える試合は少なくなるので全日程は長期間になるし、
なにより、高校生に夜更かしや早起きを強要することが新たな問題になります

兵庫県の気温が30度を下回る時間を狙うとなると10時から18時までは試合を行えないことになるので、
平均して1試合に2時間半を要するとして、前半は1日4試合行おうとすると
5時~7時半、7時半~10時、18時半~20時半、20時半~23時になるでしょうか


連日23時までの試合を強いるのは「健全」とはいえないし、早起きや夜更かしを強いられるチームが不憫です

そして1日2回も会場を開けるのか、試合の無い時間帯も開けっ放しにしておくのか、警備体制や清掃も問題になります

きわめつけに、昼間だからこそファンはテレビ中継に夢中になり、視聴率が取れる

という大人の事情もあります。

 

開催時期はずらせないし、早朝や深夜に試合をするのも現実的ではない
ということならば、涼しい球場で開催するしかないのでは?

涼しい球場というのは、開催場所をドーム球場にしたり、北日本の球場にするというのが現実的だと思いますが


どうしても甲子園球場じゃなきゃダメな理由があるのなら、

甲子園球場に屋根をかけて、空調設備を完備してください

夏は北日本、春は西日本の球場で開催できれば地方の野球人気が高まり、野球人口の減少に歯止めがかかるかもしれないし
地方の学校の遠征費の負担を分散できるので公平感もあります
(沖縄の学校はどちらにしろ大変ですけどね)

加えて応援団やファンによる各地方への観光も活性化するし、いいことだらけだと思いませんか?

 

参考までに、楽天イーグルスの本拠地でもある仙台の8月の気温と、
甲子園球場のある西宮の隣の神戸の8月の気温を比べてみると

 

過去20年間の平均では4℃ほど仙台が涼しいです(気象庁HP過去の気象データより)

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8月の日ごと最高気温(過去20年平均)


2018年の8月の気温で比べると、神戸で最高気温が30℃以上になったのが31日中の28日
逆に30℃に達しなかったのは16日~18日の3日間しかありません
しかも、どの日も29℃以上ですから四捨五入すれば、もはや真夏日でない日がないとも言えます


対して仙台市で30℃以上を記録したのは31日中14日(神戸の半分)でした。

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2018年8月の日ごと最高気温


ちなみに、冷夏だった2017年8月には31日中たったの6日でした(神戸は29日)


仙台でなら試合中に選手たちが足をつりながら、けいれんを起こしながらプレーすることも少なくなるのではないでしょうか?

 

もちろんドーム球場を使うという手もありますよ
札幌ドーム、東京ドーム、名古屋ドーム、大阪ドーム、福岡ドーム、これだけあるんだからどこか一つくらい高校野球に貸し出してくれるんじゃないでしょうか

 

費用がかかるのなら入場料を高めにとってもいいし、主催者は毎年何千万円も利益を出しているんだから、それくらいできませんか?

 

そもそも毎年、何百名の方々が熱中症で倒れているんだから、これくらいの改革は必要ではありませんか?

どうしても甲子園球場じゃなきゃダメなら何十億円もかかるかわかりませんが、ドーム球場に改修してください。


でも、西武ドームみたいに屋根だけのドームはダメですよ?


ちゃんと側面も壁で塞いで空調を完備しないともっと悲惨なことになりますから

 

ってことで、ドーム化の改修工事の目途が立つまでは、涼しい球場で開催しましょう


そうです、もう来年の夏からは仙台でやりましょう!